たまには真面目な映画も見たりしてます。
ナチスに関しては、ドイツやオーストリア旅行がきっかけで色々見たり読んだりしています。この映画はかつてナチスに所属していた人々からの証言をもとに製作したドキュメンタリーということで、考えてみればナチス側からの話というのをあまり聞いたことがないな〜と思って観てきました。
監督 ルーク・ホランド
ヒトラー率いるナチス支配下のドイツ“第三帝国”が犯した、人類史上最悪の戦争犯罪“ユダヤ人大量虐殺【ホロコースト】”を実際に目撃した人々。武装親衛隊のエリート士官から、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、近隣に住む民間人まで、終戦から77年を迎える今、「現代史の証言者世代」と呼ばれる高齢になったドイツ人やオーストリア人など加害者側の証言と当時の貴重なアーカイブ映像を記録した貴重なドキュメンタリーが日本公開となる。
公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/finalaccount
ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言
一言で、やっぱ戦争って怖いなぁと感じる映画でした。人の生死という面での怖さもですが、思考や信条が歪められてしまう怖さもありました。
WW2の頃なんて、今ほど情報網も発達していないから、特に純粋な子供は簡単に洗脳できてしまう…。
その子供たちが、大人になっても尚「親衛隊のバッジを誇りに思っている。」とかインタビューで答えていたりして。
あと「当時のナチスの蛮行を知っていた?」という質問を色々な人に尋ねていくのですが、当時の同調圧力みたいなものが今でも残っているというが、答えに滲み出ている感じ。「知っていたけど協力せざるを得なかった。」「私は知らなかった」「たまにいなくなる人がいたとは思っていた」とか。
おそらく知っていたんだろうけど、未だに「知っていた」とはっきり言えないんですよね。
教育の大切さを感じる映画でした。
最近見たナチス関連の映画たち
さて、この映画に合わせて予習もかねて色々映画を見ていました。簡単に感想メモを。
ヒトラー ~最期の12日間~
1945年4月20日。ソ連軍の砲火が押し寄せるベルリン。ヒトラーとその側近たちは、総統官邸の地下要塞に避難していた。もはや敗戦を疑う者はいなかったが、正常な判断力を失ったヒトラーは、わずかに残った軍勢に戦況の挽回を命じ、惨状をさらに悪化させてゆく。
(c)2004 Constantin Film Produktion GMBH
ワンちゃんを毒殺したり、子どもに毒を飲ませるシーンがあるので苦手な方は注意。子どもや動物といった、罪のない命が奪われるのが本当に辛いですね…。
内容としては、タイトルそのままヒトラーと政権の最期の12日間がヒトラーの秘書視点で描かれています。
帰ってきたヒトラー
監督 デヴィッド・ヴェンド
この映画、笑うと危険。世界中で売れまくり!ベストセラー小説を映画化!ヒトラーが現代にタイムスリップし、人気芸人に!?ギャップに笑い、まっすぐな情熱に惹かれ、正気と狂気の一線を見失う、世にも危険なコメディ!
(C)2015 Mythos Film Produktions GmbH & Co. KG Constantin Film Produktion GmbH Claussen & Wöbke & Putz Filmproduktion GmbH
ワンちゃんを射殺するシーンがあるので注意。
現代のドイツにヒトラーがタイプスリップしてきて、世間はヒトラーを模した芸人だ!と思い込み、色々あって有名人になってしまう。主人公だけが、「もしかして本物では…?」と気づいた頃には、世間はヒトラーに夢中になっていた。という内容です。
この作品、普通に楽しんで見てしまって、最期にゾッとする展開に持っていかれます。警鐘も込めている映画なのかな。
あと作中でヒトラーの言ってること、結構まともじゃん!って思ってしまうこともあるのです。そして、流石の演説のうまさでだんだんと支持したくなってくる。
当時もこうしてカリスマ性を発揮したのだなと、歴史を知っているからこそ思いますが、歴史を知らない人だったら?とゾッとしました。
感想が暗くなってしまいましたが、一応コメディ映画のくくりなのでテンポよくみることができます。
戦争映画とか、シリアスなのは苦手という方でも見やすいです!
17歳のウィーン フロイト教授 人生のレッスン
1937年、ナチ・ドイツとの併合に揺れるオーストリア。自然豊かなアッター湖のほとりに母親と暮らす17歳の青年フランツ (ジーモン・モルツェ) は、タバコ店の見習いとして働くためウィーンへやってきた。常連のひとりで“頭の医者”として知られるフロイト教授と懇意になったフランツは、教授から人生を楽しみ恋をするよう勧めを受ける。やがてボヘミア出身の女性アネシュカに一目惚れをし、はじめての恋に戸惑うフランツは、フロイトに助言を仰ぐ。しかし、時代は国全体を巻き込んで、激動の時を迎えようとしていた。
(C)2018 epo-film, Glory Film
心理学者のフロイトとウィーンに来たばかりの若者の物語。オーストリア人の若者がユダヤ人のフロイトに色々教え導いてもらっている中、フロイトはナチスによって生活を制限されていきます。
監督はオーストリアのグラーツ出身だそうで、オーストリアの湖畔地方やウィーンの街並みが美しい映画でした。美しいウィーンがどんどんナチス色に染まっていって、全体的に仄暗くなっていく。
シンドラーのリスト(字幕版)
映画史上もっとも重要な歴史映画のひとつである、スティーヴン・スピルバーグ監督作「シンドラーのリスト」。心を揺さぶる勇気と信頼の物語は、世代を超えて感動を与え続ける。ナチスによるユダヤ人大虐殺のさなか、1,100人以上のユダヤ人の命を救った、謎めいた男オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)に焦点を当て、驚くべき実話に基づいた物語を描く。
見ていて本当にしんどくなる映画。有名なので見たことのある方は多いと思います。私はポーランド旅行前に見て、最近もう一度観直しました。
かなりグロテスクなシーンが多く、またかの有名なアウシュビッツ強制収容所でのユダヤ人たちの生活が描かれています。シンドラーの葛藤が見ていて辛い。
でもこういう考えの人がいたから、少なくとも救われた命があったんですよね。シンドラー自身も、いつ自分が反逆者とされるか不安だっただろうに、本当に偉大…。
暗い映画ですが、好きな映画ベスト5に入ります。
さよなら、アドルフ(字幕版)
1945年春。敗戦後のドイツで、ナチ親衛隊の高官だった父と母が連合軍に拘束され置き去りにされた14歳の少女・ローレは、幼い妹・弟たちと遠く900キロ離れた祖母の家を目指す。終戦を境に何もかもが変わってしまった国内では、ナチの身内に対する目は冷たく、相手が子供であっても救いの手を差し伸べてくれる者はいなかった。そんな中、ナチがユダヤ人にしてきた残虐行為を初めて知り、戸惑うローレ。更に、ローレたちを助けてくれるユダヤ人青年・トーマスが旅に加わったことで、ローレがこれまで信じてきた価値観やアイデンティティが揺らぎ始める
―(C)2012 Rohfilm GmbH, Lore Holdings Pty Limited, Screen Australia, Creative Scotland and Screen NSW.
罪のない子どもたちが、上の世代のツケを払わされるのは本当に辛いです。まさにファイナルアカウントにでてきた人々の子ども時代がこんな感じなのかも。
終戦後にひどい扱いを受けたら、そりゃ前政権の時はよかった!みたいな思考になってしまうよね…。罪のない子どもたちに全時代のツケを払わせないのが大人の役目だよな…と思いました。