うちのバブは絵本が大好き。
10ヶ月ごろから、一人で絵本を眺めるようになった。
もうすぐ1歳1ヶ月。
最近は、絵本のフレーズを口ずさむと、該当する絵本を持ってくるほどだ。
最初、絵本は遊び場に置いていなかった。
きれいに保管したかったし、ちぎったページの誤飲も怖かったから。
でも今では、おもちゃ棚の大部分を絵本が占めている。
最初は口に入れていた絵本も、いつのまにか好きなページを開けるようになった。
お座りが上手になって、一人でめくる時間も増えた。
触って、めくって、握って、ちぎって、たまに舐めて。
気づけば、絵本はだいぶくたびれていた。
角がヨレヨレになったボードブック。
握られたページには、大好物のイチゴのイラスト。
よだれで貼り付いたページ。
ちぎられた先には、大好きな動物。
お出かけ中に何度も舐められたミニサイズの絵本。
いつのまにか、そこには「楽しんだ証」がいっぱい詰まっていた。
一緒に読んでいると、ページをめくる小さな手が、ぐちゃっと紙を握ることがある。
そのたびに思う。
――ああ、この子、今ここが好きなんだな、と。
絵本のくたびれは、愛おしい。
むしろ、きれいなままよりずっといい。
