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国産を選ぶという、ちいさな応援。オーストリア的暮らしから学んだこと

高市総理が身につけている国産ブランドが、かっこよすぎた。
濱野皮革工藝のグレース ディライトトート、MIKIMOTOのパールネックレス、Jun Ashidaのスーツ。
どれも上品で、凛としていて、美しい。

「国産ブランドって、こんなにかっこよかったんだ!」
心の底からそう思った。

国産の服をまとい、日本のために働く。
それだけでシンプルにかっこいい。

そして何より惹かれたのは、高市さんが “身に着けるものは国産であること” にこだわっているという話。
信念を持って選ぶって、こういうことなんだと思った。
(あぁ、高市さんの私服も見てみたい…!)

あまり国産品を買えていない今

正直に言うと、私自身は国産品をあまり使えていない。
食品や日用品は別として、服や家具となると特に。

理由は単純で、デザインがあまり好みじゃない。
「心が動く」って感覚がないと、使い続けるのが難しい。

でも、ヨーロッパには “買い物は投票” という考え方がある。
環境にいいものを選ぶ、国産を選ぶ、リサイクルできるものを選ぶ。
企業の姿勢に対して、日々の買い物で意思を示す。

その考え方を知ってから、少しずつ意識が変わってきた。

異文化ショッピングツアー

オーストリアに滞在していたときの大家さんが日本旅行に来た際、一緒にディスカウントスーパーへ出かけた。
テーマパークのように広い店内で、私たちの“異文化ショッピングツアー”が始まった。

「ささかまがいつも買ってる日本産の製品はどれ?」
「この果物は日本のどこから来たの?東京産はないの?」
「これは無添加?オーガニック?」
「このお菓子のパッケージ、地球に優しくないよね」

質問攻め。
物を選ぶ視点がまるで違って、少し面白くなってしまった。

「味噌はこれが無添加で、私はいつもこれを買ってるよ」と勧めると、
「でもパッケージがプラなんだね」と残念そうな顔。

たしかに。
スーパーでプラ容器じゃない味噌なんて、見たことがない。
味噌屋さんならあるけど…。

食品を選ぶときに、パッケージを気にしたことなんてなかった。
すると彼は、「ヨーロッパでは、パッケージのインクが自然由来かどうかまで気にする人もいるよ」と笑った。

インクまで!?
さすが環境先進国…。

そのあと訪れた某ファストファッション店。
彼はジーンズを購入し、雨よけカバーのついた紙袋を嬉しそうに見せてきた。

「ささかま!見て、この雨カバー!!日本の気配りってすごいね!
でも…地球にはよくないね。」

うん、ほんとそう。親切すぎる文化が、時には環境にはやさしくない。

一般市民が当たり前のように環境を意識している。
環境に良いことを選択することが、文化として根付いている。
それが、なんだかかっこよかった。

買い物は投票、そして応援

「普段どんな基準で買い物してるの?」と聞くと、
BIO製品か国産かどうか、できるだけ地元のもの。
 旅行では気に入った街では買い物して、その街を応援してる。」

“買い物で応援”という考え方。
それは私にとって新鮮だった。

「買い物は投票!そして応援!」と笑う彼の言葉が、今でも心に残っている。
彼の周りでは当たり前の考え方らしい。

「スーパーにフルーツや野菜を買いに行って、オーストリア産じゃないと諦めるときもあるよ」

オーストリアのマルクト

ヨーロッパの街では、どこに行ってもマーケットがある。
オーストリアでも街のところどころでマルクトが開かれている。
有名なのはウィーンのナッシュマルクト、ザルツブルグのザルツブルガー シュランネ、グラーツのカイザー・ヨーゼフ・マルクトなど。

ウィーンのマルクトでは、地元のはちみつやミツロウキャンドルが並び、
木箱いっぱいに詰まったフルーツや野菜、自家製ソーセージ、手作り石鹸がなど、地元産がずらりと並ぶ。

観光客も多いけど、毎日の買い物として訪れているマダムたちがかっこよかった。
マイバッグを片手に、果物をどんどん詰め込んでいく姿が、絵になる。

オーストリアには、古いところで1207年から続いているマーケットもあるらしい。
それだけ地産地消の文化が、昔から息づいているということだろう。

私から見るとは、マルクトのような市場は“特別な場所”だけど、
オーストリアではそれが“日常の風景”。

だからこそ、私もできるだけスーパーで“地域のもの”を選びたいと思う。
ほんの少しでも、あのマルクトの空気を自分の暮らしに取り入れるように。

日常の中で、小さな実践

そんなこんな、高市効果と異文化ショッピングを思い出し、
最近はスーパーでも「国産かどうか」を見るようになった。
予算が合えば、オーガニックを選ぶ。

とりあえず形から入ってみるタイプなのである。

私が好きなのは、地元の農家さんから届いた、産地直送コーナー。
実家のある栃木ではお馴染みのコーナーだったけど、東京だと流石にスペースが狭い。

品揃えが良いわけではないけれど、なるべくこのコーナーから選ぶようになった。
たまに珍しい野菜も売られてて、結構面白い。

洋服は、「日本製」と検索することが増えた。
縫製が丁寧で、長く着られる。

そういえば長く愛用している日本製がある。
それが「横濱スカーフ」

デザインも質も素晴らしくて、つけるだけで気分が上がる。
「それどこの?」って聞かれることが多くて、海外ブランドだと思われる
「横浜のブランドだよ」と言うと、みんな驚く。

また、日本ブランドをセレクトしている
TOKYO BASE も素敵。
見るだけでときめく服が多くて、見てるだけで幸せ。
(ただママをやっていると、おしゃれすぎて着られる服が少ない。笑)

コスメはまだ模索中だけど、
アムリターラ は気になってるブランド。
国産原料にこだわり、環境配慮も徹底している。
コスメキッチンやスーパーのライフでも売っているみたいなので、手持ちがなくなったら試してみたい。

コスメや服は、日本製は多くても、
環境に配慮しているか?という視点で見ると、まだまだ選択肢が多くない気がする。

無理せず、ゆるく続ける

エコとか国産とか、ちょっと混同した感じになっちゃったけど
どっちも「未来に残したいものを選ぶ」という意味では同じ。

国産を選ぶと、自分の国の誰かを応援できる。

好きなデザイン、使いたいものを選びながら、
その中に「国産」っていう選択肢があると、いいよね。

まずは無理のない範囲で、国産を選ぶ。
できるだけ環境にいいものを選ぶ。

コンポストのときと同じで、まずはゆるく始めるのがちょうどいい。

信念を持って選ぶ、というよりも選択肢ができたら、
どっちの製品、企業を応援したいと思えるか、が大切かなと思う。

国産の話でいうと、高市さんのようにオール日本製でバチッと決める日が来るのもいいけど、
(私もあのバッグ欲しいです)

今の私は、日々の買い物でゆるく投票する一市民。
それでも、きっと意味があると思う。

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ささかま

行動しながら考えるタイプの人間。 オーストリアが好きで、いつか移住したいと夢見る日本に住む会社員。 ペットの政宗、オーストリア、食、本、旅行記、インテリアなど雑多に綴っています。

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